・ ・ ・ リマでむかえるお正月 ・ ・ ・


そのへんのパン屋さんで買った、200円ほどのロスカにも、ちゃんと小さなペンダントが添えてありました。精霊をあらわす鳩でしょうか。お店の人が、これは14金メッキです、とさかんに自慢してました(笑)→
(もしかするとペンダントは、一家のお母さんが自分でロスカに仕込んで、たとえば今年受験の子などにうまく当たる細工ができるよう、そのためにわざわざ別に添えて売っているのかもしれませんね)
ロスカはとても大きくて、うちでは食べきれないので、半分タキーレ島のI嬢に持たせました。そのときに、このペンダントを入れたひときれを、今、彼女の家で居候している17歳の姪っ子に、知らん顔してあげるよう頼んでおきました。
その子は来月、タキーレ島にもどるのですが、残してきた彼氏がちゃんと彼女を待っているかどうか、ひそかに心配しているので、これでちょっと元気づいてくれればいいなと思います。

←切り分けたロスカと、きょうの主役、幼な子イエス。
玉子がたくさん入ったロスカもおいしいですが、私はやっぱり、フランス式のアーモンドクリームのがいちばん好きです。
この週末にアーモンドを探して、前にピサックで買った陶器のふくろうでも中に入れて、焼いてみようかな…… まったくこんなだから、ペルーの年末年始には、痩せてるひまがありません!
リマはもう海水浴の季節なので、水遊びが好きな若い女性は、毎年この季節、食べたいけどやせたい…のジレンマで、かなり苦しむようです。
古い風習がたくさん残るクスコでは、1月6日には、リマよりずっと熱心に「三賢王礼拝の日」 LA BAJADA DE LOS REYES のお祝いをするようです。
パウカルタンボ村出身の知り合いのお宅でも、今では親戚みんなが首都リマで暮らしているにもかかわらず、クスコの旧家の伝統をきちんと守り、クリスマスよりむしろ6日に、親戚がたくさん集まるのがつねだそうです。
そのお宅では、クリスマスから6日まで飾ってあるベレン(聖家族や三賢王の人形一そろい)の前で、楽しく食事をしたあと、2、3歳の子からおじいさんおばあさんまで、みんなでくじ引きをします。
その紙片には、たとえば「猫」とか「つぼ」「鍋」などと書いてあり、来年のこの日には、その約束の品ものを、幼な子イエスへの贈り物として持ってこなければ、パーティのごちそうにあずかることはできないそうです。
もちろん、本物の猫やつぼではなく、また高価な品である必要もなく、みんな思い思いに、陶器とか木製とか、あるいはプラスティックのミニチュアを探します。たとえば、指定されたのが羊なら、クリスマス前になればいくらでも市場で見つかるので、苦労はないのですが、たまには、ワニ、とかいうとんでもない紙片もまぜてあるそうで、この一家にとってはこれが毎年慣例の、なんとも楽しい気がかりとなっているそうです。またこうして年々、一族のベレンのなかみも、少しずつ充実していくのだそうです。
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きのう6日の夜は、ロスカやエンパナーダ(ミートパイ)を持って、またアラシータの市(下記1月1日の項参照)にいきました。
例のラ・パスの「お雪ちゃん」たちにも、約束の写真を届けました。封筒に入れたのを渡すと、よほどほしかったとみえて、「これ、いただくわ、おいくらかしら?」と、真顔で小銭入れをとりだします。「やーね、あなたたちなんて、私の娘くらいの年なんだから(…とは言いませんでしたが)もちろんプレゼントよ」というと、10代の娘らしく、けたたましくきゃあきゃあ喜んで、かわりに小さな家のおもちゃをくれました。
「それじゃあ、また来年、ここで会いましょ!」 そういう彼女たちは、ボリビアやペルーのいろいろな場所で開かれる市を、次々にめぐりながら、一年の大半をすごすそうです。
元旦にここで再会したカハマルカの友達も、よくリマの民芸品市にやってきますが、リマ市内に泊るところがあるわけでもなく、むだなお金も使えませんから、いつもお店を出したその場所で、地べたに毛布など積み上げ、そのまま何日でも泊ります。
たぶん市にいるほとんどの人が、そうして過ごしているはずです。しかもカハマルカの友達は字が読めないため、外の看板など見ると、とても不安になってしまうそうで、それでなおのこと市を離れないようにしています。なので食べ物の差し入れは、いちばん喜ばれます。
きのうは訪ねてみると、「先日のパチャマンカのお礼に」と、彼女の娘婿さんがわざわざカハマルカに取りに行ってくれた、山ほどの乾燥キノコが私を待っていました。
ポルコン農場でとれる、さいきん当地でちょっと話題のキノコです。松林に生えるというので、もしやマツタケでは?と思っていたのですが、それとは違うヒラタケかなにかのようです。でも、森のよい香りがします。まずはパスタにでも使ってみようかと、とても楽しみです。
ちょうど折よく1月6日の、思いがけない贈り物。こんな心のこもったクリスマスプレゼント、めったにもらえないかもしれませんね。友人の娘婿さんも、自分では知らずに、三賢王の役を果たしてくれたわけです。
おかげで今年は、さいしょからさいごまで、楽しいクリスマス期間となりました。(2004年1月7日)


店舗買い上げの商談が成立すると、素焼きの香炉でかんかんに熱くしてある
木炭の上に、ぱらぱらとお香をふりかけ、その煙でお清めをします→
ただミニチュアを買っただけではだめで、必ずこうしてお香をくゆらせ、
しっかりと祈らないと効果はないそうです。まあその私は今のところ、
雑貨店を開く希望はもっていないのですが、広義の商売繁盛の願いをこめて…
もっと確実に夢を実現したい方は、ちゃんと市の一角につめている
祈祷師さんたちをたずね、ダメ押しの祈祷をしてもらうのがおすすめです。
昔からアラシータの市でいちばん人気があるのは、トラックやタクシー、あるいはいろいろな店舗です。
小売店や運転手稼業の人が多いプーノでは、ほとんどの人が、借りた店舗や車で仕事をしていますが、そういう借り賃はとても割高です。きっと非常にたくさんの人が、なんとか自前の車や店を手に入れたいと、切に願っているにちがいありません。
また、ペルーへはボリビア経由で、日々ものすごい量の密輸品が運び込まれています。
もちろん建前上は禁止されていますが、国境での検査は、魚心あれば水心…ですし、なによりたいへん大きな需要があるため、いくら禁止してもかんたんに消えるはずもありません。利幅の大きさに引かれてこの商売に手を出す人も、あとをたちません。
もしこういう商売を手広くやろうと思ったら、どうしても欠かせないのが、大型トラックや、商品を隠しやすい観光バスで、そのためかそういうミニチュアも、へんにたくさん並んでいます。
そのほか、庭や番犬つきの2階建ての家や、大学や各種専門学校の卒業証書、もしくはもっとストレートにソルやドルの札束なんかもあります。これは4,5ソルも出せば、数万ドル分?手に入ります。
海外旅行を夢見る人も多いので、お金や身の回り品、パスポート、航空券などが詰まった小さなスーツケースも売られています。
こういった定番商品のほか、近年どっとふえたのが、コンピュータの一そろい。わざわざIBMと入ってるのも見つけました。

←「で、あんた、買うわけ、買わないわけ?」
めんどくさそうなアイマラ奥さんのこの風情、たまりません。
この人に会っただけで、私の心は3800メートル地点へ飛んでいってしまいました。
よく焼けてつやつやの頬からは、遠い高地の日光が照り返してくるようです。
この写真だけみたら、とてもリマとは思えませんよね!
おばちゃんの足元の花束は、祈祷につかうものです。

プーノからティティカカ湖岸を車で走っていくと、
数時間もかからずに着いてしまう、ボリビアの聖地、
コパカバーナの聖母の祠(ほこら)→
ていねいにベニヤで作って、ガラスもちゃんとはめてあります。
聖母像には、造花やペルーボリビア両国の国旗、アラシータの
家やトラックも添えられ、なかなか凝っています。
こういうひなびたアンデスの味は、自分で作りたくても、
なかなか出せるものではありません。

←いずれも指先ほどの大きさの、お酒や缶詰、日用雑貨。
これも買うと、必ずお香でおはらいをしてくれますが、家や店舗にくらべれば、そこまで高価なものではありませんから、こういうこまごました品を買っていく人は、「この一年、日々の暮らしに困りませんように」という願いを込めるのでしょうか。
もしくは私と同じに、ニーニョ・マヌエリート(幼児キリストのお人形)のための、ミニチュア品の収集に加えるのかもしれません。
まんなか上のガラスの水差しについては、私と宿六(ペルー人)とのあいだで、意見が分かれています。
私は、各家庭にある小さな聖母マリア像に、小さな造花をそなえるための水差しと思うのですが、宿六は、「今年もチッチャ(トウモロコシ・ビール)がたくさん飲めるように、という願いをかけるためにちがいない」と言って譲りません。

今回私が、内心けっこう真剣に探していたのは、一軒家。
でもアラシータの市の家々は、どれもプラスティック製で、いまひとつ
気に入りません。全部の屋台を覗いて、やっと見つけたのがこれ→
ニ階建てで、植えこみや車もあって、また家の完成パーティの
飾りまでついているのが、気がきいています。
こういうふうに、ほしいものを形にして祈る、という方法は、
意外に効果があるような気がします。
クスコのクリスマス市で買ったミニチュア品が、
翌年みごとかたちになった、という経験を、
私もしたことがありますので。

←この「豪邸」を売っていたのは、ボリビア、ラ・パス市から陸路でやってきたという、シルビアとニエベ(いわば「お雪ちゃん」)のふたり。
家もやはり、香炉の煙でよくいぶし、あやしげな黄色の「自称聖水」をふりかけてから渡してくれます。聖水というか、トイレの芳香剤みたいなかおりでしたが…
12ソル(約360円)の豪邸を買うのに小銭がなく、しかたなく100ソル札(約3000円)を渡したら、いやな顔もせずに、市の中で店開きしている両替商のところに、急いで走っていきます。でもじきに戻ってくると、「このお金はにせものだからだめだと言われたわ」と言いながら返してよこします。
うけとって見ると、私が渡したのとはちがう、穴まであいた100ソル札です。
「これ、すりかえられたんじゃない? もう一度聞いてみなさいよ」というと、「んまー、すごい悪い連中ね、ちょっと交渉してくる!」と、お店に私だけ残して、また走っていきます。
もしこの100ソルが戻ってこなかったら、しかたない、新年の厄落としよね。内心そう思っていたのですが、幸い、悪いといってもほどほどに悪い連中だったとみえて、彼女たちはちゃんともとの100ソル札をとりかえし、両替してもらって戻ってきました。

雑貨店同様、いまのところ開店する予定はない金物屋ですが、あまりにていねいに作ってあるので、ついこれも買ってしまいました→
タテ横15センチ×20センチ、奥行き10センチの小さなお店に、
ありとあらゆる建材やペンキ、セメント袋に、小さく切った色ガラスの板までつめこまれています。アラシータ製品は、どうもペルー製より
ボリビア製品のほうが、細かくできているような気がします。

←金物店にも、ていねいに香炉の煙をまぶします。
だいぶあとで、もうすっかり暗くなってから、もう一度この屋台の前を通ったら、彼女たちはくたびれた様子で、ふたりとも低い踏み台にこしかけ、こっくりこっくり居眠りしていました。
手には、作りかけの「店舗」を持ったまま…

アラシータには、ティティカカ湖方面(ペルー南部)の人ばかり来ているのかと思っていたら、
意外なところで、カハマルカ(ペルー北部)の友だちに再会→
彼女は去年、48歳で、この世にもかわいらしい女の子を安産しました!

←日が暮れると、はだか電球がいくつも灯されて、元旦の参道ふうの気配がつよまります。
<新年早々、私の大散財の明細>
雑貨店 1軒…10ソル
金物店 1軒…15ソル
コパカバーナのマリアさんの祠(ほこら)…10ソル
車つきニ階建て住宅 1軒…12ソル
こぶりな竈(かまど)(一応実用品)…鍋つきで6ソル
リャマ二頭、羊一頭(焼き物)…計3ソル
日用雑貨のミニチュアいろいろ…計10.5ソル
プカラ村製のチッチャ(トウモロコシ酒)用のつぼ(実用品)…25ソル
固く炒ったソラマメ(タキーレ島のI嬢の好物) 1キロほど…4ソル
カハマルカの友達(ほとんど一族郎党がそろって来てました)におごったパチャマンカ…30ソル
自分で食べたパチャマンカ…15ソル
合計……193.5ソル(約5800円)
おやおや、思ったよりけっこうな散財でしたが、でもこれで、飛行機にも乗らずに遠いティティカカ湖畔の空気を楽しみ、ついでにおなかもいっぱいで家に帰れたしだいです。おかげでとても楽しい元旦でした!
<きょうのいただきもの>
プカラのつぼ屋さんにもらったおまけのミニチュア鍋、ひとつ。
カハマルカの友達にもらった白チーズ、大きなのひとつ。
←きょう食べたパチャマンカ。
鶏、仔羊(ちょっと「育ちすぎた仔羊」でしたが…)、豚、ウミータス(トウモロコシの薄甘い蒸し菓子)、ジャガイモ、サツマイモ、ソラマメがたくさん入って、15ソル。リマ近辺で食べるパチャマンカにしては、お値ごろでした。
(パチャマンカを出す出店は、市の奥のほうに2箇所ありますが、奥に向かって左側の店のほうが、安くて盛りがいいようでした)
パチャマンカについては、詳しくはこちらもご参照ください。
http://e-ie.asahi.com/sumaiw/sumaiw4302.html

クスコからプーノへ向かう道のとちゅうにある、焼き物で有名なプカラ村の壷→
うちのテラスにこれをころがし、田舎ふうに演出しようという心づもり。
叩くと高い金属音がして、持つと意外なほど軽い、実用的なよい壷です。
もうひとまわり、大きなのにすればよかったかな?
家に持ち帰ると、壷の暗がりに猫がすいこまれるように入ってゆき、しばらくしてから、中に残っていた灰や藁くずを背中につけ、ぬっと出てきました。
これでリマ生まれのハシンタ猫も、アンデスの奥深さを体験済み?

←アンデスではとてもよく使われている、携帯用にもなる便利な竈(かまど)。こういうので、キヌアスープなどを作ったらおいしいでしょうね。
それと本日購入の「家畜たち」

日用品のいろいろ→
後列は、缶詰(トマトペースト缶、黄桃缶)、
たまご、プロパンガス、トイレットペーパー。
前列は、工具や車の修理道具。
きょううっかり買い忘れたのは、スーツケースです!
ここニ年ほど、休暇らしい休暇をとっていないので、今年はどうしてもゆっくり旅行したいので。
週末に「お雪ちゃん」たちに写真を届ける約束もあるので、そのときに忘れず、スーツケースも買ってこようと思います。


近所のお宅は、大晦日も完全なクリスマス状態→
わが家も当地の習慣にしたがって、
クリスマスの飾りといっしょに新年を迎えます。
大晦日の晩は、鶏の丸焼きをつくることにしました。
それで、羽などむしって内臓もとってある、あとは調味して焼くばかりの鶏を1羽、買ってきてもらいました。ところが、包みをあけてみると、なんと鶏さんのほかの部分… つまり、頭(というか顔)、脚、内臓などを「きちんと1羽分」、袋詰めにしたものが、鶏のおなかの中に入れてあったのです。ペルーで受けた、ひさかたぶりのカルチャーショック!
さすがのペルーずれした私も、これにはしばしひるんだものの、見なかったことにして丸焼きにとりかかります。つめものは、固めに炊いたマッシュルームピラフ。なかなかおいしくできました。
きょう午前中に録画しておいた、NHKの「ゆく年くる年」を見ながらの、今年さいごの夕食です。「ゆく年くる年」を録画する人って、日本国内にはたぶんいないでしょうね……
でも、この常春の陽気では、除夜の鐘のひとつやふたつは聞かないと、新しい年が来たとは、とても信じることができません。

←零時すこし前から、ご近所ではさかんに花火があがりはじめます。
急いでかねて用意の、幸運を呼ぶ12粒のぶどうをとりだし…
これを零時になると同時に、ぜんぶ食べなくてはなりません。スペインの伝統ですが、ペルーの都市部ではよく行われているようです。そのため年末のスーパーや市場では、ぶどうが山ほど売られます。
零時をすぎたところで、今年さいしょの事件発生。
どこかのおばかさんが、向かいの公園の芝の上で、大きな焚き火をはじめたのです。近くには、燃えやすいユーカリの木もあるので、ひやひやしながら見ていましたが、ほんの数分で区の警備の人がとんできて、火は消し止められました。新年早々、ご苦労様なことでした。
こういった区のサービスは、意外かもしれませんが、けっこうちゃんとしています。