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「タキーレ島図書室をご訪問下さる方へ」を読む
タキーレ島‘日秘友好’図書室へようこそ!
紺青のティティカカ湖に浮かぶ、美しいタキーレ島では、今もインカの時代とさほどちがわない、静かで質実剛健なくらしが営まれています。
図書室計画のきっかけを与えてくれた(・・・つまり、いつも本をほしがっていた)子供たち、エクトル・レネ君、アリシアちゃん、オビディアちゃんの三人。今では右の写真の通り、すっかり大きくなりました(←これからまた数年が経過。もうみんな大人です(05年追記))。


図書館開きの準備をするエンリキ君とエクトル・レネ君。
まだ机もないので、小学校から借りてきました。
子供たちは、本を並べる手伝いをします。
どこかの子連れのお母さんも、さりげなく立ち読み中。
「ぼくが学校にいたころに、こんな本が島にあったらよかったのに!
でも、勉強をまた始めるのは、今からでも遅くないですよね?」
島の権威者さん(アウトリダーデス)たちが、正装して集まってきました。
(エンリキ君が、「どうしても日本の旗を屋根に掲げなくては」と言うので、
写真の日章旗は、わざわざ日本から送っていただきました。
ペルーが誇る作家 アルゲダスなどのご翻訳で有名な、杉山晃先生と奥さまの慶子さんからのご提供です)
「本日は、全島の権威者および令夫人がたのご臨席も賜り、
タキーレ島初の図書室開きの日を迎えることができましたのは、
まことに慶賀の至りでございまして・・・ 」
島の代表者たちの、荘重な雰囲気の祝辞がつづきます。
若くして島の「出世街道」をのぼりつめたエンリキ君ですが、
さすがにこの日は、緊張のあまり固まっていました。
若手の権威者たちも、かしこまって祝辞を拝聴。
権威者さんたちの長い祝辞がおわり、図書閲覧にうつります。
私の目にはわずかと思える100冊の本ですが、権威者さんたちはみんな、
「こんなにたくさんの本を一度に見たのは、生まれてはじめて!」
と喜んでくださいました。
子供の本を夢中でながめる権威者さんたち。
いかにも島の人たちらしく、日本の小学生用の『船の図鑑』が特に好評です。
なんとも嬉しそうな表情にご注目を!
権威者さんたちは、「常に重々しくふるまうというのも、
その大切な仕事のひとつ」(エンリキ君・談)なので、
こんなくだけた表情をみせてくれることは、めったにありません。
年配の令夫人の中には、字が読めない人もいますが、
そういう人もこんなに嬉しそうに、絵本や図鑑を楽しんでいってくださいました。
『ペルーのための英語読本』に見入る権威者さん。
みなさん本をあれこれ開いてみるのに忙しく、
結局権威者さんと令夫人たちの滞在は、とうとう二時間以上におよびました。
エンリキ君によると、これはとても珍しいことだそうです。
「こんなに楽しそうな権威者たちを見たのは、はじめてなんで、驚いてしまいました」
さいごは、主催者のエンリキ君提供のコカの葉で、みなさんに一服していただきます。
外ではずっと、エクトル・レネ君のおじいさん(「ひいおじいさん」との説もあり)が、
カラー百科事典に没入していました。
権威者さんの演説のあいだ、ほかの家族は遠慮して外にいたのですが、
このおじいさんだけはかまわず何度も入ってきては、
一冊ずつていねいに本を選んで、また日向に戻ってゆきました。
1ページも見逃さないように、ふうっと息を吹きかけては、
日に焼けた手でじっくりとページを繰ってゆきます。
おじいさんはスペイン語は知りませんし、字もまったく読めません。
けれどこういう人でも、絵のたくさん入った本は、こんなに楽しめるのです。
新しいものごとへの関心も、年齢や暮らす環境にはなんの関係もなく、
誰にでもある、ということなのでしょう。
まわりのことをすべて忘れて、子供のように絵本に見入るおじいさんの姿には、
ほんとうにもう少しで、泣けてきそうでした。
とりわけおじいさんのお気に召したのは、海や湖の動植物の本でした。
この写真のおじいさんは、タコの解剖図に感嘆しているところです。