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タキーレ島‘日秘友好’図書室へようこそ!


紺青のティティカカ湖に浮かぶ、美しいタキーレ島では、今もインカの時代とさほどちがわない、静かで質実剛健なくらしが営まれています。

私は95年以来、この島に通うようになりました。そして訪れるたびに、子供たちが、おもちゃではなくて「教科書」を私に頼むことに、強い印象を受けました。

授業で必要な、全科目の教科書を持っている子供など、島にはひとりもいません。宿題のしらべものひとつするのにも、手段がまったくなくて困ることが多い、という話でした。

これがきっかけとなり、思いついたのが「子供図書室 建築計画」です。そして、私の島の友人、エンリキ・ママニ・マチャカ君*の全面的な協力のもと、今年2001年3月に、島さいしょの子供図書室を無事オープンすることができました。(*正確にはエンリケですが、島ではケチュア語なまりでエンリキと言う人が多いです)
(図書室の所在地は、
「タキーレ島お散歩地図」をご参照ください)

図書室の‘総工費’は、屋根や窓ガラス購入などに使った、大枚(笑)500ドルのみでした。
その他の作業はすべて、「ミンカ」というインカ時代来の共同作業システムによって、島の方々が請け負ってくださいました。
また土地は、友人のエンリキ君が、自宅前の空き地を、実にこころよく提供してくれました。


この図書室、名前だけは、「タキーレ島 日秘友好図書室」と立派ですけれど、実際には写真のとおりの、たいへんささやかな日干しレンガ作りの小屋にすぎません。

本も、今のところは、わずか百冊あまりしかありません。
(それでも島の人たちは、「こんなに沢山の本を、今まで一度も見たことがない!」と喜んでくださいました)


しかし、小学校の真正面という好立地のおかげもあって、たくさんの子供たちが、毎日ちょっとした調べものや、絵本の立ち読みに、ここに立ち寄ってくれているそうです。

島では以前にも、ある福祉団体から教科書が寄付されたそうですが、なんとそれは、プーノ市から島に教えに来る小学校の先生たちが、無断で自分用に持ち出してしまったそうです・・・・・・
タキーレ島 ‘日秘友好’図書室の場合も、そういう事態をいちばん恐れていたのですが、幸い今のところ、管理人のエンリキ君が目を光らせてくれているおかげで、一冊も紛失していないようです。


計画では、まず蔵書を、なんとか数百冊程度までは、早急にふやしたいと思っています。
今までに私が島に持ち込んだのは、


・いちばん不足していた中学校の各学科の教科書、各一組ずつ
・小学生、中学生用の、カラー図解百科類
・辞書少々
・リマの古本屋さんで見つけた、実生活に役立ちそうな本類
・古雑誌
(以上すべてスペイン語版)
・そのほか、日本からの訪問者さんが置いていってくださった、日本の図鑑類(←もちろん島の人は日本語はわかりませんが、日本の図鑑はきれいなのでたいへん好評です、伊地知さんほんとうにありがとうございました!)


などです。

島には、子供たちが数百人もいますので、将来的には全科目の教科書を、少なくとも十組くらいは揃えたいと考えています。
また本を並べる棚や、机、椅子も必要ですし、さらにはできることなら、太陽電池板も購入して、ビデオ等の教材もおきたい・・・・・・ と、いろいろ夢だけは大きく思い描いています。(05年追記:本を入れる小さな棚だけは、やっとエンリキ君が作ってくれたようです)


けれど、本の価格が高いペルーでは、各教科書は少なくとも$20はします(もちろん、ごく上質な教科書の場合ですが)。
そのため、私ひとりの力では、いつになったら肝心の本だけでも、じゅうぶん揃えられるか、まったくわかりません。(05年追記:とはいえおかげさまで、それなりに揃ってきました。少なくとも、島の子の宿題の役にはだいぶ立つようになったようです)


またよく、教科書類を寄付してくださるというお話もいただくのですが、通関や税金、リマから島までの送料等の問題がありますので、私ひとりだけでは対応できません。そのため現時点では、とても残念なのですが、私が仲立ちをさせていただくことはできませんが、もしこのささやかな図書室にご関心をお持ち下さった方がいらしたら、ぜひいつの日か、ご自身で島を訪れていただければ…と願っております。


***タキーレ島 ‘日秘友好’図書室 記念アルバム***


図書室計画のきっかけを与えてくれた(・・・つまり、いつも本をほしがっていた)子供たち、エクトル・レネ君、アリシアちゃん、オビディアちゃんの三人。今では右の写真の通り、すっかり大きくなりました(←これからまた数年が経過。もうみんな大人です(05年追記))。



























w_bi2.jpg

図書館開きの準備をするエンリキ君とエクトル・レネ君。
まだ机もないので、小学校から借りてきました。





子供たちは、本を並べる手伝いをします。
どこかの子連れのお母さんも、さりげなく立ち読み中。





「ぼくが学校にいたころに、こんな本が島にあったらよかったのに!
でも、勉強をまた始めるのは、今からでも遅くないですよね?」





島の権威者さん(アウトリダーデス)たちが、正装して集まってきました。
(エンリキ君が、「どうしても日本の旗を屋根に掲げなくては」と言うので、
写真の日章旗は、わざわざ日本から送っていただきました。
ペルーが誇る作家 アルゲダスなどのご翻訳で有名な、杉山晃先生と奥さまの慶子さんからのご提供です)





「本日は、全島の権威者および令夫人がたのご臨席も賜り、
タキーレ島初の図書室開きの日を迎えることができましたのは、
まことに慶賀の至りでございまして・・・ 」
島の代表者たちの、荘重な雰囲気の祝辞がつづきます。





若くして島の「出世街道」をのぼりつめたエンリキ君ですが、
さすがにこの日は、緊張のあまり固まっていました。





若手の権威者たちも、かしこまって祝辞を拝聴。





権威者さんたちの長い祝辞がおわり、図書閲覧にうつります。
私の目にはわずかと思える100冊の本ですが、権威者さんたちはみんな、
「こんなにたくさんの本を一度に見たのは、生まれてはじめて!」
と喜んでくださいました。





子供の本を夢中でながめる権威者さんたち。
いかにも島の人たちらしく、日本の小学生用の『船の図鑑』が特に好評です。
なんとも嬉しそうな表情にご注目を!
権威者さんたちは、「常に重々しくふるまうというのも、
その大切な仕事のひとつ」(エンリキ君・談)なので、
こんなくだけた表情をみせてくれることは、めったにありません。





年配の令夫人の中には、字が読めない人もいますが、
そういう人もこんなに嬉しそうに、絵本や図鑑を楽しんでいってくださいました。





『ペルーのための英語読本』に見入る権威者さん。




みなさん本をあれこれ開いてみるのに忙しく、
結局権威者さんと令夫人たちの滞在は、とうとう二時間以上におよびました。
エンリキ君によると、これはとても珍しいことだそうです。
「こんなに楽しそうな権威者たちを見たのは、はじめてなんで、驚いてしまいました」
さいごは、主催者のエンリキ君提供のコカの葉で、みなさんに一服していただきます。






外ではずっと、エクトル・レネ君のおじいさん(「ひいおじいさん」との説もあり)が、
カラー百科事典に没入していました。


権威者さんの演説のあいだ、ほかの家族は遠慮して外にいたのですが、
このおじいさんだけはかまわず何度も入ってきては、
一冊ずつていねいに本を選んで、また日向に戻ってゆきました。
1ページも見逃さないように、ふうっと息を吹きかけては、
日に焼けた手でじっくりとページを繰ってゆきます。


おじいさんはスペイン語は知りませんし、字もまったく読めません。
けれどこういう人でも、絵のたくさん入った本は、こんなに楽しめるのです。
新しいものごとへの関心も、年齢や暮らす環境にはなんの関係もなく、
誰にでもある、ということなのでしょう。
まわりのことをすべて忘れて、子供のように絵本に見入るおじいさんの姿には、
ほんとうにもう少しで、泣けてきそうでした。


とりわけおじいさんのお気に召したのは、海や湖の動植物の本でした。
この写真のおじいさんは、タコの解剖図に感嘆しているところです。


05年現在、個人的にちょっとばかり経済難&時間不足なため(苦笑)、残念ながらペルー国外からの郵送による書籍の寄付は、一切頂くことができません。小包はすべて局留めとなるため、時間をかけて引き取りにいかないといけませんし、また手数料や税金がかかることもあるためです。
また、直接寄付金や寄付の書籍をお預かりすることも、恐縮ですがお断りしております。今のところ、余分な人手などがまったくないため、責任をもって島に届けるお約束ができず、すべてに時間がかかってしまってたいへん心苦しいためです。どうかご了承ください。
自分の生活に余裕ができたときに、あらためて体制を整えなおしたいと思っております…_(._.)_


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